べっ甲の色
記事:磯貝剛
べっ甲は不思議な素材です。
今日のように雨降りだと甲羅がしっとりしてとても加工しやすい。
逆に、この時期らしく乾燥していると表面がカリカリしていて刃物がなかなか入らず削りづらい。
まさに生き物の貴重な素材に感謝しつつ、丁寧にその魅力を引き出せたらと願いつつ作業をします。
そしてべっ甲の最大の特徴。
色・柄が様々なのは、使う人にも、作り手にも魅力的なのです。
白甲
トロ味のある半透明のオレンジ色。
「飴色」の呼び名で日本人を魅了しているべっ甲の高級部位。
玳瑁のお腹側の薄い甲羅を、それこそ何枚も何枚も重ねて製作します。
黒甲
すべてを映し出す きめ細かな黒色。
黒甲は、蒔絵など施す土台として用いられる事が多いもの。
歪み無きよう鏡面仕上げをして美しさを引き出します
茨布甲
色、柄に同じもの無し!
唯一無二の天然色。
化学的に作られたべっ甲柄とは一味もニ味も違う 奥深い存在感。
SNSでも発信しますのでチェックして頂けると嬉しいです。
- 作り手ダイアリー
- 2024.02.04 Sunday