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初遠征・フランスの片田舎−1

稲と麦のフェスティバルinアルセ村、ブーゴン村

この仕事を始めて数年目(今回の記事担当は剛です)、
東京の伝統工芸関係で知らぬ者はいない、「とても偉大な職人さん」の
工房にごあいさつに訪れる機会がありました。

初夏のその頃、薄暗い工房では数人の職人衆が汗をカキカキ・・・
当時の私には初めて遭遇する「他の工房の熱気」。感じた迫力は未だ
頭の中に映像として保存されています。

汗を拭き拭き現れた「とても偉大な職人さん」は開口一番に、

「君!うちの息子とフランスに行って来なさい。」

「・・・・?」

突然言われた、ほぼ命令形のその一言に戸惑いながらも断る理由も
見当たらず曖昧な返事を残しつつ工房をあとにしました。

「中世の古城」、「一面のひまわり畑」、「昼間から飲む赤ワイン」・・・・・
来てしまいましたフランス!

フランス人の方が企画した日本とフランスの文化交流「麦と稲のフェスティバル」。
フランスの中央に位置するロワール地方・アルセ村、ブーゴン村で行われました。

日本からは我々職人衆、セミプロの音楽家、農家の方、学生・・・が参加、
100人位だったのかなあ。

日本から参加したメンバーはそれぞれの表現をするための場所に準備のため,
しばしのお別れ、

そして我々職人衆が実演するのは「農家の納屋」。

職人衆、現場を目の当たりにし「・・・・・・・」

だいじょうぶか???

              〜続きます、次回は13日の予定です〜


ベッ甲イソガイ 亀戸店 10周年の御礼

                

ベッ甲イソガイ 亀戸店 10周年の御礼

この程、2012年7月5日で ベッ甲イソガイ 亀戸店は
10周年を迎えることが出来ました。

当然ですが ご愛顧いただいた方々、
不恰好でも一生懸命さだけはと温かい目で 応援していただいた方々、
店を内側から活気付け 店舗運営に携わっていただいた方々、

亀戸店に関する全ての方々に感謝いたします。

「ありがとうございます」

ベッ甲イソガイ 代表 磯貝實


亀戸天神散歩―1

「亀戸天神社のお庭」公私共々癒されます。

東京で暮らしていると下町とはいえ「ビル」、「アスファルト」「車」・・・・
やはり無味乾燥なストレスを感じます。

日常のストレス解消と、ちょ―っとの運動にと、朝起きて気が向いた時に
散歩をしています。最近ではスカイツリー方面に足が向いてしまいますが、
基本的には下町らしい風景が存分に感じられるエリアなので出来るだけ
通った事のない路地を選択し徘徊・・・・(?)いや!散歩しています。

少し前までは散歩ではなくスピードを重視した「ランニング」。
若さゆえスピードを抑える事に抵抗を感じ、ひたすら走る事自体の快感と、
運動したことへの充実感を追求していました。

年のせいか(?)ランニングから散歩に代わってきたのはごく最近、
少しスピードを抑えると見えていなかった景色が新鮮で、どこかの
民家前の花段であったり、季節によって違う花の咲く公園の風景だったり、
その時々の匂いというか空気感、少しづつ変わっていく町のディテールの
発見。職人の工房風の家だったり、人気の餃子屋さん、今度入ってみたい
おしゃれなバー・・・いろんな所を発見するのが散歩の醍醐味である事に
楽しさを感じるようになりました。

太鼓橋

散歩の締めはいつも「亀戸天神」。
神社に一歩入るとスーっと姿勢が正されるような新鮮な空気が味わえる。
こんな贅沢な空間が家近くにあって幸せを感じます。鳥居の下あたりで
柔軟体操をしてから、太鼓橋に上がります。季節ごとに緑の濃さ、池の亀
の多さ、空の色、日差しの強さの移り変わりを感じられしばらくたたずんで
いたりします。

天神様の庭には季節の花が「梅」「桜」「藤」「菊」と色々楽しめて花が咲く
時期にはまともに歩けない位、人で賑わいます。そんな時期でも朝の
散歩の時には人もまばらなのでゆっくりと歩き癒される事が出来ます。
今の時期はアジサイとの「青」と太鼓橋の「赤」の対比がとても美しいです。

ひいき目なく「亀戸天神」の庭は都会のオアシス、
歩くごとに新しい発見を与えてくれます。


シュガーポット

唯一無二、作り手と成長していくアイテム“シュガーポット

20120615-03.jpg

私がこのアイテムを手掛けるようになったのは10年ほど前。
一通りのものが作れるようになり、やはり作り手誰もが通る
「誰も作らない自分だけのアイテムを作ってみたい」という欲望が湧きあがり、
べっ甲製品にはあまり見られないものについて考えるようになりました。

頭に浮かんだものは片っ端から試作し始め、通常の作業時間が終わった後の時間が
これに当てられました。通常の製品作りでさえ楽しくてしょうがないのに
自分の思う物を形に出来る喜びに時間を忘れ試作品作りに没頭しました。
しかし今思うとあとひとひねりで製品となるものもありますが、
次々と出来上がるものは「試作品」の域を出る出来栄えのものはありませんでした。

若気の至りと言いますか「誰も作らない自分だけのアイテムを作ってみたい」という
強い思いはものすごい力を与えてくれましたが、芸術家かぶれした作り手の
一方的な「作ってみたい」思いばかりが優先され、
製品作りに忘れてはならないはずの「使い手の気持ち」を汲んで
製品作りをしていない事に気が付きました。

このときからまず自分が「使ってみたい」と思えるモノづくりに気持ちを切り替えました。
自問すると意外とすんなりと「べっ甲の製品をテーブルの上で使ってみたい」・・・
という気持ちが湧きあがり、それに従い出来上がったものが「シュガーポット」です。

当初「製品」と言うよりも「作品」という趣が強かった「シュガーポット」は
売るというよりも見せるモノとしてPRに使いました。
当工房の取材に来た方々に面白半分見て頂くと思いのほか反応が良く、
「珍しいアイテムなので記事に書きます・・・」とか
「代表作として写真を・・・・」とか、時には「雑誌の表紙に・・・」など
有りがたいお話を頂きで出し好調でした。

さらなる転機は「東京都伝統的工芸品チャレンジ大賞」という
作品品評会に出品する事になり、「シュガーポット」を
天然系塗料でコーティングしてバージョンアップした
「“洗える”べっ甲のシュガーポット」として出品した時です。

東京都産業技術研究センターの木下先生と共同で、
べっ甲の素材感を損なうことなくコーティングを施し、
ちょっとした洗浄が行えるよう加工した「“洗える“べっ甲のシュガーポット」。

扱いづらいという先入観を持たれ、
敷居の高い素材と思われていたべっ甲の弱点を克服し、
多くの一般の方々の票と審査員の方のご支持を頂き、
「東京都伝統的工芸品チャレンジ大賞」で賞を頂く事が出来ました。

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作り手の一方的な提案だけではなく、一般の方々の要望を取り入れて
バージョンアップした結果、その大切さに改めて気がついた良い経験です。
これ以降「製品」としてなるべく品切れにならぬよう店頭に並べる数は
常に作るよう心がける事になりました。

良い事か悪い事かわかりませんがモノづくりをしていて同じ物を作る時、
以前と「同じ物を再現する」感覚はありません。
どこかしらに「もっと使いやすく」の修正点が湧いて来るのでそれを考慮しつつ
バージョンアップしたものになります。
逆にいえば完璧なものを作っていない証明となってしまいますが、
その時その時のベストを注ぎ込んだものである事に間違いありません。

そういう意味で今後も作り続けるであろう、唯一無二の「シュガーポット」は
作り手と共に成長をしていくのでしょう。



東京スカイツリー

「ALWAYS 3丁目の夕日」。ご覧になられた方も多いと思います。
映画の中では高度経済成長の最中、急速に発展していく日本―東京の様子を
「東京タワー」がどんどん高くなる姿とリンクして表現されていました。
戦後多くのものを失った日本にはシンボル的存在で、映画の登場人物たちが
「東京タワー」を見上げている姿からも希望や夢、願いなどを投影していたことがうかがわれます。

私たち「ベッ甲イソガイ」の工房や店舗があるのは亀戸、浅草、いわゆる東京の下町。
数年前のある日、突序発表された「世界一の電波塔」建設計画。
建設地は我々の亀戸店と浅草店の中間あたりに有る「押上」と言う地区。
学生時代、「何処から通っているの?」と聞かれ「押上駅」と言っても
いまいち、どのあたりかもわかってもらえない程知名度は低く、
その「世界一の電波塔」が出来るというのはタンクローリーの往来で傷んだデコボコ道の、
そこを通る時は前の車が起こす砂埃の激しいコンクリート工場の有る辺り。
とても「世界一の・・・」が来て頂くにはリアリティーのない場所でした。

工事が始まりコンクリート工場に続くデコボコ道は閉鎖になり、
恐らく「世界一の電波塔」の大きな鉄骨?の様なものを積んだトレーラーが下町に流れ込んできて、
町中の雰囲気が工事現場化し、その建造物に好意を注ぐ気持ちにはなれませんでした。

しかしゲンキンなもので、その「世界一の電波塔」の名前が「東京スカイツリー」と決まり、
着々と建造物の片鱗が見え始めてくると、その変わりゆく様子を記憶に刻むために
カメラを持ち歩く機会が増えました。

20120609-01.jpg


私たちが営む亀戸店前の、亀戸天神からは神社の鳥居や太鼓橋、
社殿と「東京スカイツリー」とのコントラストが美しく、
サザエさんのオープニングの背景で使われたり
ぶらり旅系の番組での紹介が多くなったり・・・
ちょうど亀戸店の前から撮影すると鳥居とスカイツリーが綺麗に移り込む
ひとつのシャッターポイントとなりました。

20120609-02.jpg

また浅草店のうちの店から見ると脇の小路「雷門柳小路」。
浅草の中でも下町らしさを残すこの通りの向こうにはやはり「東京スカイツリー」が・・・
ここもにわかシャッターポイントとなりました。

20120609-03.JPG

人々の顔を見ていると、単に今までなかった高い建造物が建つことに関する興味だけにとどまらず、
この「東京スカイツリー」が人々の希望や思い出、楽しみそのほか
いろんなものを背負って着々と高くなっている事が感じられ、
「ALWAYS 3丁目の夕日」で描かれていた「東京タワー」を見上げる人々の思いと
「東京スカイツリー」を見上げる人々の思いは、時代こそ違え重なる部分が多い事に気が付きました。

私たちの工房は5月22日に「鼈甲磯貝」から「ベッ甲イソガイ」と
表記を変えリニューアルしました。
小さな工房としてはかなりの労力を必要とする大変な作業でしたが、これから先も
師匠と3人兄弟が協調しべっ甲作りを続けていくためにも重要なタイミングであったので、
「東京スカイツリー」の開業と同じ日にする事になりました。

私にとっても、ただ高い建造物ではなくなった「東京スカイツリー」は
見上げるたびに色々な気持ちにさせてくれます。



リニューアルオープン展

ベッ甲イソガイが5月22日にロゴ表記を改めリニューアルしたのを皮切りに、6月5日まで
「ベッ甲イソガイ リニューアルオープン」展を開催させていただきました。
ご来場いただいた方々はもとより、温かく見守ってくださっている方々!ほんとうに
ありがとうございます。
良いスタートが切れましたこと大変感謝しています。



ロゴに込めた思い

新しく変わった「ベッ甲イソガイ」のロゴ、大げさにお思いになるでしょうが、ここには
ベッ甲イソガイの「〜これまで〜今〜これから〜」の思いを詰め込むことが出来たと感じています。

元々「鼈甲磯貝」と漢字で表記し職人の無骨さ、べっ甲の希少さを存分に示すことが出来ました。
その反面、読みにくい、書きにくい難しい漢字であり親しみを感じていただくのに苦労しました。

現在当工房では無形文化財の磯貝實を代表にし、息子である磯貝剛、磯貝克実、磯貝大輔の
4人の作り手により製作を行い、浅草店、亀戸店にて作り手により販売も行なっております。
(もちろんこの行いを支えてくれている心強いスタッフのサポートを無視することは出来ませんが、、、、)


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ロゴにはこの作り手4人がベッ甲イソガイの礎であることを示すため、
カタカナの「イソガイ」の各文字の右上から左下にカーブするラインを揃えました。
4文字のラインと作り手4人、お互いの協調があってこその「ベッ甲イソガイ」という
意味が詰まっています。

新しいロゴと共にべっ甲という魅力のある素材を少しでも多くの皆様に知って
いただけるよう作り手4人、挑戦していきますのでよろしくお願いいたします。


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リニューアルしました

ベッ甲イソガイが5月22日にロゴ表記を改めリニューアルしました。


ロゴ


同時に、「鼈甲磯貝 亀戸天神鳥居前店」を「ベッ甲イソガイ 亀戸店」に、
「鼈甲磯貝 浅草オレンジ通り店」を「ベッ甲イソガイ 浅草店」に変更しました。


プロフィール

浅草・亀戸べっ甲職人の店「ベッ甲イソガイ」のオフィシャルブログです。

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